何かに概念を持つと、それが事実となってしまう。
例えば、黒猫やカラスが不吉だ、という概念を作ってしまうと、
それが現実となる。
黒猫やカラスはただ存在するだけで何の概念も無いが、
悪い概念をつければ悪い現実が、良い概念を定義すればよい現実が生まれる。
そして、不思議なことに、良い概念を与えたその現実が悪化することは無い。
上の例で言えば、黒猫やカラスは黒い生き物である、という事実があるだけで、
何の概念も無いのだが、我々が概念を与えることにより意味が人それぞれに生まれる。
事実は一つなのに、幾多の概念が生まれるのだ。
その概念の定義は、それぞれの環境、価値観、宗教、教育、習慣、
または経験、トラウマ等により形成される。
つまり概念とは真実ではなく、単なる思い込みなのだ。
今自分の目の前にある現実は、全て自分で作り上げている、ということである。
ここに気付かぬ限り、相互理解は無く、世界恒久の平和も訪れないであろう。
相手を知ること、そして理解するためには、まず、自分自身を知る必要がある。