「中東にて」 菊池絵美 in the Middle East  by  Emi Kikuchi

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カテゴリ: ・Zun Nun( 1 )


2008年 03月 09日

Zun Nun ズン・ヌーン



大半のエジプトの民は彼を偽ムスリム=ズィンディーク と呼んでいた。。。


「昨晩、 拝して祈りを捧げていると、私はいつしか眠りに入った。すると、栄光あるを夢の中で見た。神は私にこう語りかけた。
“おお、アブル・ファイズ=ズン・ヌーン よ。我は人間を創造した。彼らは十の集団に分かれた。彼らに現世を見せると、十のうち、九つが現世の方を向いた。残った一つも十の集団に分かれた。彼らに天国を見せると、十のうち、九つの集団が天国の方に顔を向けた。残った一つの集団がさらに十に分れた。彼らに地獄を見せると、そのうちの九つが地獄を恐れて四散した。そこで、現世に欺かれることもなく、天上の楽園の方に傾くことも、地獄を怖れて逃げ出すこともない集団が一つだけ残った。我は、その残った者たちに尋ねた。我が下僕たちよ、おまえたちは現世に目もくれず、天国に望みをつながず、地獄を恐れることもなかった。一体おまえたちは何を望んでいるのだ。彼らは頭を垂れてこう言った。
{汝こそは、我らの求めるものを知れり}(クルアーン第11章79節)”」


。。。ズン・ヌーンに一人の弟子がいた。四十日間の参籠の行を四十回繰り返し、アラファートの荒野の丘に四十回立ち、四十年間不眠の行を続け、四十年この方、座しては心の小部屋の見張りをし続けた。
。。。
「導師よ、あらゆる行をやってみましたが、我が友=神 は、私に何一つ言葉をかけて下さらず、。。。全く相手にしてくれません。 。。。」
 ズン・ヌーンは答えた。
「さあ、今晩は腹いっぱい食べて、就寝前の礼拝もせず、一晩中ぐっすりと眠りなさい。 。。。」
 。。。彼は、礼拝を行ってから眠りについた。預言者を夢に見た。預言者はこう語りかけた。
「友=神 がよろしくと、こう言っておるぞ。我が宮殿に来て時を経ずして む者は、惰弱なる男色家と卑劣漢。ことの根元は堅忍不抜の意志と、責め、難じる心を捨てることにある、と。 。。。あの、要求ばかりする追 にはこう伝えよ、。。。わしは貴様の主などではない。これ以上、我を愛する者たち、我が宮殿の困窮せる者たちをペテンにかけて欺くでないぞ、と」
 。。。ズン・ヌーンは、神が自分に挨拶を送り、「やたらと偽りの主張ばかりする者」「嘘つき」と呼んだことを聞いて嬉しさの余り声を出して泣いた。


(「イスラーム神秘主義 聖者列伝」 ファリード・ゥッディーン・ムハンマド・アッタール著 藤井守男訳 国書刊行会 より)
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by Emi_Kikuchi_jp | 2008-03-09 21:45 |  ・Zun Nun