ユースフは。。。
ズン・ヌーンのモスクに戻った。ズン・ヌーンはこう語った。
「。。。三つの忠告を与えよう。大きな戒めとは、あなたが読んだものをことごとく忘れ去り、書いたものをすべて洗い流すということ。そうすれば、あなたの目の前のヴェールは取り払われるだろう」
。。。
「中間のものとは、。。。我が導師がこう言ったとか、我が導師がこう命じたとか言ってはならぬ。それはすべて、自我礼讃でしかない」
。。。
「小さな戒めとは、人々を論し、
神へと誘うことである。 。。。だが、人々の中にいない自分を想定して、教え諭すのが条件だ」
死の後に、ある者の夢に現れた彼はこう尋ねられた。
「神はあなたにどうなさったか」
神は答えた。
「神はお許しになられた。。。真剣ということと、ふざけ半分というものを、一度たりとも、私が混同しなかったがために」
(「
イスラーム神秘主義 聖者列伝」 ファリード・ゥッディーン・ムハンマド・アッタール著 藤井守男訳 国書刊行会 より)